結婚してすぐに辛苦を舐めながらも、お袋は絶対に逃げ出さなかった。 そうして1年後に誕生したのが、俺と言うわけだ・・・ 「お花って、本当に凄いわね・・・ 日光を浴びたり、雨に降られても…、たおやかで真っ直ぐ生きてるもの」 給仕さんが用意した紅茶に口をつけると、庭園の薔薇を眺めていて。 どこか寂しげな眼をしているのは、気のせいではない。 お袋が抱えていたストレスの代償は、あまりにも大きすぎた…。 俺しか産めない身体になるほど、心身ともに疲弊していたんだ・・・