日が傾き始めた頃、ようやく泣き止んだ蘭とともに本宅をあとにした。 俺にとっては特別である、ランボルギーニを走らせて・・・ 「どうして、秘密の部屋を作ったの?」 「蘭が傍にいて、俺が我慢出来る訳ないだろう…?」 おずおずと尋ねてきた蘭に、フッと笑って答えたが。 俺の我が儘で作ったアノ部屋は、親父たちいわく、せめてもの情けらしいけど? そんな柔らかな時間に絆されて、波風の音には気づかなかった。 “後悔先に立たず”という言葉が、のちに現実になるとも知らずに・・・ 【拓海視点2・END】