今までの俺の行動は弁解の余地もないほど、最低な物だった。 新米の俺に、“社長と秘書”という距離感など解らなかったとはいえ。 帰国当初に再会した蘭に、あまりに冷たくしたせいで・・・ もう“それ以上”は、優しくする事が許されなくなった。 その時に初めて、身を持って感じたんだ。 俺はようやくお袋の出した条件が、途轍もなく惨い物だと…。 そこからが俺の抑制という名の戦いの、始まりだった――