She and I・・・

まだ自分のシフトまで時間があったので、ブリーフィングルームへ行った。

シミュレーターには先客がいた。

ダンだ。

だが、ダンがいたのはフライトシミュレーターの前ではなく、ロボットアームの前だった。

お疲れ様です、と声をかけるとじっと睨むように見つめてくる。

しばらくした後、ダンが口を開いた。

「良くやった」

「ありがとうございます」

だがまだ睨みつけられていた。


「お前、何をした?」

「え?」
とは言ったが、本当に驚いていた。自分でとっさにとった行動を冷静に考えると、そう訊かれてもおかしくないことに今気付いたからだ。

でも、そう訊いてくるのはダンだけかもしれない。

「俺はあんなアームの動きは見たことがない」

「・・・」

「気になってモニター出力されていた映像を録画したものも再生してみた」

「・・・」

「今、シミュレーターで実際に操作もしてみた」

「・・・」

「だが、出来ない。何故だ?」

僕は隠すつもりはなかった。