She and I・・・

船が静止した。

それだけだって難易度の高い操縦技術なのだ。

改めてクリスの腕の良さがわかる。

僕は呼び出されてロボットアームの操作盤の前に座った。
「イタル、準備はいいか?」
艦長が尋ねる。
「はい」

「よし。ミッション開始」

「はい」

大きく深呼吸をした。

格納スペースから、ロボットアームを船外にだす。

アームの手には観測球を持たせてあった。


アームを伸ばしていく。

宇宙空間での慣性を相殺する動きはオペレーターが意識することのなく出来るようにプログラミングされていた。

アームを半分ほど伸ばしたところで、サラが声を出す。
「観測球の信号をモニター上で確認しました」

「了解」

「イタル、うまく”置いて”くれ」

「はい」

ゆっくりと観測球をアームから離す。

「動いています。静止しません」
サラの声。

自分の見ている操作用の外部モニターでもそれは確認できた。


「回収します」
と言って、
観測球を捕まえる。

リトライだ。

息を止める。


慎重に。

自分に言い聞かせ、もう一度離す。

ゆっくりと。

しばらく待って、

「動いています。静止しません」
再びサラ。

また回収する。


「回収します、あっ」

なんと、回収しようとしたアームで観測球を弾いてしまった。

機体から観測球が遠ざかっていくのがわかる。

「回収失敗。観測球逃げて行きます」
サラの声。