She and I・・・

「目は覚めたか?」

逃れようとするクリスの動きが止まっていた。

艦長がゆっくりという。

「結婚したのは間違いではない。必ず帰るという約束を果たすのだ」

「そのために出来ることをする」

「今のイタルのように」

「そして休むときは休む」

「各自が任されたことをこなすことで、帰る道が開けるのだ」

「わかったら顔を洗って、任務に戻れ」

そしてダンに向かって言う。

「済まないがクリスが戻るまで、イタルに代わってくれ」

了解するダンをクリスがさえぎり、

「大丈夫です。実際に”顔を洗う”必要はありません。目は覚めました」

「艦長の一発で。本当に済みませんでした」

ダンに向き直り、
「ダン、休憩中に済まなかった」
また艦長に、
「ダンはダンのすべきこと--休憩--に戻してください。本当にもう大丈夫です」

じっとクリスの表情をうかがっていた艦長が、
「わかった。皆、今すべきことに戻ってくれ」

そしてクリスが、
「それに、イタルはもう我々パイロットと同じレベルにいますよ」
とつけたした。