サラがダンを連れて戻ってきた。
「クリス」
ダンがクリスを見つめる。
「いったい・・・」
「僕は臆病者だ。笑うなら笑えばいい」
「誰も笑いはしない。みんな同じだ」
「早く帰らせてくれ!」
艦長席の前から操縦席の方へ動くクリスを、ダンとサラが掴まえる。
「放してくれ!」
その間、僕は必死で計器類の監視をし、微調整を行った。
クリスの叫びが痛いほど胸の中で響いていた。
クリスの叫びは僕の叫びだ。
待っている人が、
いる--
サレンパーカー艦長が、艦長席を降り、
押さえられているクリスの正面に廻って立つ。
そして、頬を打つ大きな音がした。


