しかし、その後
事態は膠着した。
打つ手のないまま数日が経過してしまった。
専門のパイロットであるクリスとダンだけに操縦を任せているのも限界に達し、二人を交代制にしてサブに僕やサラが入ることをサレンパーカー艦長は決めた。
一応、操縦はクルー全員が出来るが、あくまでも操縦士はクリスかダンであることには変わりがなかった。
彼らの精神的負担は大きかった。
その日は--
静かにやって来たその日は--
クリスと僕のペアで操縦を担当していた。
船が進行方向を変えないようにする操縦とは、実際は各計器の確認がほとんどだった。
自ら動きに変化を与えていないか監視し、微小な変化は相殺した。
細かく地味な作業と、
その作業こそが、
クルー全員の命運を握っているという
緊張と重圧は、大変なものだった。
--何故、こんな船に乗ってしまったのか--


