え?

千夏に

逢う?


教授と顔を見合わせている僕に

先輩が言う。

「千夏が死んだことは、家族と小数の人間しか知らないことなんだ。まして、今もこのタンクの中で永遠の眠りについていることを知るのは家族だけだ・・・」

ゆっくりと先輩の方に顔を動かす。

「千夏が・・・ここに?」

「そうだ。そういう理由で君に実際に会うまではこのことを伝えられなかったのだ。許してくれ」


「あなたに最後に一目逢わせてあげようと思って」

部屋に入ってすぐのところで壁に寄り掛かるように立っていた千夏のお母さんが言った。