「そう?」
一年生の夏休みに僕は千夏と出逢っていた。
「それと、最近もまた感じが違うよね」
「そうかな?」
「最初に会った頃は、とても話し掛ける気になれない感じだったよ」
「そう?自分ではわからないけど」
(といったのは嘘だ。)
「・・・彼女のせいなの?」
「え?」
「なんでもない・・・。就職は決まった?」
「・・・うん。宇宙探査局でなんとかなるかもしれない。来年の試験次第だけど」
「すごいわね。まだこの時期に」
「自分の志望がしぼれただけだよ。まだ何か決まったわけじゃない」
「そう。私は自分が何をしたら良いかわからないわ」
「まだ時間はあるし君は優秀なんだから、志望すれば何にでもなれるだろう」
「・・・」
返事のないまま電話は切れた。
小さな声で、
志望してもなれないものもあるわ
と聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。
切れたばかりの電話がまた鳴った。


