She and I・・・

宇宙探査局に入局したばかりの僕は、本来であればまだ当分は実際の任務につくことはなかったはずだ。

ところが適性テストやトレーニングの過程で重機オペレートに特別の才能があることがわかり、今回の探査に大抜擢されたのだった。(本当は特別な才能というより別にも理由があったが・・・)

先に入局していた大宮先輩が指導上官であり、推薦者でもあった。

その推薦が通ったように、わずか数年で大宮先輩は局内で認められる存在になっていた。


大抜擢は嬉しかった。
宇宙への夢と希望を抱いて選んだ道であったし、いずれ宇宙へ出ることは、自分の人生の中で当たり前の出来事になるはずだった。

しかし、その時の僕は心の準備ができていなかった。

その背中を押したのは大宮先輩だ。

「・・・心配せずに行ってこい--」

必ず良い経験になるから、と。

そうして、
僕はこの船の一員になった。