ダウンロードしているファイルは後で読むことにして、
操縦室へ戻った。

ここでも大丈夫かと訊かれた。

大丈夫です、と答えてダンと交代した。

サラが、心配そうに

「本当に大丈夫なの?・・・その・・・あなたにも待っている人がいたでしょう。クリスと同じように・・・」

「僕の場合は・・・結婚していたわけでも、婚約していたわけでもないのでレポートに彼女の近況はなかったんです・・・。だから、本当はよくわかりません・・・」

「そう・・・。そういえば、私のレポートもそうだったわ。血縁者の現況報告だけだった・・・。とは言え私には"待っていてくれる人"はいないのだけれど・・・」

その時、
操縦室内に音声通信が響いた。

「・・・サレンパーカー艦長」
音声は艦長に呼びかける。

「・・・しばし、回線を私用で拝借してもよろしいでしょうか」