目が覚めた時、
すべてが夢であることを知った。
白いボディの列車も、
指文字も、彼も。
そして、自分の気持ちを
偽ることができない難しさも。

くやしくて、泣いた。
なぜ彼にこんなに振り回されるのか、
自分でもわからなくなって。
言えないことばをずっと抱えて、
ひとりで悩んで、悩み抜いて。
どんなことがあっても、
彼を好きでいる自分に、
むしょうに腹が立って。

でも、真実を偽ることは
私にはできない。