「祐~」

「祐どこーーー」

「千胡また探してるの?」

「クッキー焼いたの、あげなくちゃ」

私は、その頃

諦めるという言葉を知らなかった

「諦めないね」

「そんな言葉しらなーい」

知っていたかもしれない。

ただ、現実を見たくなくて――

だって君はね・・・・

「なんだよ千胡、うるせぇ」