乗り込んだ電車は、嫌でも目的地に向けて俺達を運んで行く



「元気ないね?」


覗き込んで、心配そうな顔で聞いてくる花に



『そんな事ないで?』


って、自分でも分かるくらいに顔が引きつる



「なら、いいけど!てか、友達ってどんな人なん?」


『どんな…?男前。』


「それだけ?って、別に顔の事は聞いてないんだけど!笑」


『そっか。』




しばらくすると、車内に鼻声のアナウンスが流れて

目的地に着いた事を告げる――。




『降りんで!』


「うん♪」



そう言って腕を絡めて来る花に

[くっつくな!!]

なんて思ってる俺がいる。



地元やから、誰が見てるか分からないし
知ってる人に見られたら恥ずかしい。








違う……。

空の存在が漂う この街で

空に似た花の面影を残したくないだけや。






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