〜花魁〜



「あっ、鳴った。」


『鳴りましたね〜。』



この間感じた、嫌な予感は…この事やったのかも…。




「来海は…教えてくれとったんかな…?」



なんて、蓮さんが非現実的なメルヘンチックな事を言うから

不覚にも…笑ってもうた――。




『あはは、似合わないっすよ?』


「お前っ!!俺、今めっちゃイイこと言ったのに!!」


『どこが?そんな乙女みたいなこと言うても、キモいだけですよ?』


「ムカつく!!相変わらず、辛口やな―…。」




――…

―――……




ただ単に、暇だからか

それとも“close”にしたままだからか

一切、人が来る気配を見せないドアは

何処か切なげで…

このまま、誰もいない空間に引きこもりたいって

本気で思った―…。




「空ちゃんも、こんな冷たい男の何処がイイのか…謎やんな〜」


『いや…俺に聞かれても、困るし。』


「お前が、空ちゃんの前だとデレデレしてるトコとか…想像したら…ウケる!!」



何、この人!?デレデレって…。



『ウケないけど…否定もしない。』


「光…、かーわーいーいー♪」



そう言って、ニヤニヤ笑う蓮さんは…酔っているのか、心なしか顔が赤い。



『うーざーいー!!』


「まぁ…、お前…無理はすんなよ。話ならいつでも聞くし…俺の胸で良かったら貸すからさっ!!タダで♪」


『遠慮します。』


「おい、ゴラァ!!可愛くねぇぞ。」



普段なら気付かない、蓮さんの優しさも
今日は、痛いくらいに伝わって来るのに、

無理に笑わそうとする蓮さんは…
何で、そんなにも悲しそうな顔をするんやろう…?




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