〜花魁〜



家に着くと、部屋の電気も付けず
窓もカーテンも締め切って、着替えもせずに
ソファーに座り込んで泣いた―…。



記憶の中も、携帯の中も、何処を辿ってみても
笑顔の空がいるのに
本物の空がいない――。



ふと、立ち上がり…クローゼットの奥にしまってある
アルバムを手に取った。



部屋の電気を付け、1ページづつ捲って行くと
子供の頃の俺と空が写った写真が何枚もあって…
捲って行くにつれ、海や雪の姿もちらほらと出て来た。



4人で色違いのお揃いシャツを着せられて
1人、不機嫌な顔をする空が写っていて、不謹慎にも笑ってもうた




『…似てる。』



こうやって見てると、やっぱり似てるって思った―…。



[クローン]って、からかわれていた小学生の頃が
何十年も前に感じる。



昔は、身長も対して変わらなくて
唯一、違う所があるなら…髪型くらいで
後ろ姿だけなら、親ですら間違えた



子供だった頃は、今みたく呼び捨てじゃなくて
確かに[姉ちゃん]って言っていた。

いつから…呼び捨てになったんだろう…?



きっと、空って呼ぶ様になった時から
空の事が好きだったんやろう――。











ブーッブーッ



ズボンのポケットに入れてある携帯が震えている。

長さからして、メールじゃなくて電話だろう―…




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