〜花魁〜



何で今まで気付かなかったんやろう?



自分の気持ちに、素直になる事の大切さも

想いを言葉として、ちゃんと伝えられる口がある事も

人を好きになる事の大事さも―…。



異常とか、好奇とか、そんなモン…最初から関係なかったのに

人一倍、気にしていたのは俺自身だった。



なぁ…、恥ずかしい事なんて、何処にもないやろ―…?



俺の抵抗する姿が恥ずかしいって言うなら、それはそれで構わないけど

これが、今の俺に出来る…精一杯の伝え方やから…恥ずかしくなんてないんだよ。





『…空ぁ―!!』


ねぇ…俺、間違ってる…?教えてよ――。










スーッと開かれた銀色のドアの中は空洞になっていて
棺ひとつが余裕で入るくらいの広さ…。

そこに、空が入れられて…スーッと閉じたドアは
俺の視界から、完璧に空の姿を消した―…。











『…いい加減、離れろ。』



2人共、容赦なく力を込めるから…
左右から掴まれてる腕が痛い。



『もう…、離せって。』



ゆったりと離れて行く左右の腕に、支えをなくした俺の体は

何の抵抗もなく、その場に座り込んだ――。




ひとつ思った事は…

“終わった―…。”

ただ、これだけ。




空がいなきゃ、幸せになんてなれないから

生きてる意味なんてないから…

今日を境に終わったんや。俺の人生は―…。






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