〜花魁〜



「顔でしょ?お兄…あの人の顔で選んだんやろ?」


『………。』



普通なら…、何て失礼な事を言うガキや!!とか思うと思う…。

やけど、雪の言葉に否定も肯定も出来ない俺は

雪以上に失礼やと思う―…。






俺は、花の顔だけが好きなのか…?



『…分からん。てか、今そんな事どうでもイイがな。』


「良くない!!嫌なモンは…嫌なんやて!!」


『喚くなや!!お前に関係ないやろ?貴史の事だけ考えてろや。』



自分で、理不尽な事を言ってる事くらい分かってる。

やけど…雪には貴史がいて、正直“羨ましい”って思ったのも事実。




「お兄の事、思って言ってるのに…。辛くなるだけやんか!!」


『黙れって。これ以上、言ったら殴んぞ?』



俺の事、思うならさ―…

生き返らせてくれよ?




「お兄の…馬鹿ぁ…」



そう言って泣き出す雪を見て

“泣きたいのは俺やって!!”って、自分勝手な事を思う…。




――…

―――……




その日の夜――。



帰らんと、何故か通夜の手伝いをする為に残った花。



相変わらず、ふてぶてしい態度を取る雪と
そんな雪を宥(なだ)める海。



空の前で、何て情けない光景なんやろ―…?



って、元をただせば…俺が中途半端やからアカンのか…。





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