〜花魁〜




ドラマとか、物語の中だけの
話やと思ってた。



普通に生きて、
普通に寿命を全(まっと)うする物だと思ってた。



もう二度と、空に逢えないって思ってた。

だけど、こんな形で逢えなくなるなんて
これっぽっちも思ってなかったんや―…。




「ごめん―…。」


気の利いたこと言ってやれなくて。


そう付け加えて言う貴史も泣いていて
そんな貴史の姿から、思わず目を逸らした。




『……認めない。』


「直前にな…自分で酸素マスク外して…苦しそうな顔して口を動かしてた…」


『…………。』


「声、出てなかったから…何て言ってたか分からねえけど…俺、見たんや―…。」


『聞きたくない。』



そんなの聞きたく!!

直前って…何の直前だよ―…。



もう、喋んな!!



『黙れよ。これ以上、何も言うな!!!!』




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