〜花魁〜




――ほんまは
分かってたんや。



海が嘘を付かない事も…

あの、包帯でグルグル巻きにされた人間が空だって事も。



いくら顔が見えないって言っても
俺が空の事を分からないハズがない―…。


だけど、


『嘘だって言ってくれよ!!頼むから…空じゃないって言えよ』





近くに寄った時…

包帯の隙間から見えた耳に
見覚えのあるピアスがついていた。



俺が、空の誕生日にあげたピアス――。



『嫌やっ!嘘だ!!空がいなくなるなんて…。今日だって逢う約束したんだよ!!朝一に行くからって…そう、約束したんや…』



空がいなくなった事を認めてしまったら
今まで出なかった涙が、簡単に溢れて来た…



『そらぁ―…。』


「姉ちゃんね…、兄ちゃんに会いに行く途中だったんだよ―…。」


『えっ…、』


突然の言葉に、海の顔を見ると
目を真っ赤にして大粒の涙を流す海の姿が目に入った―…




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