〜花魁〜




顔が見たい!!って、俺の本能が脳を刺激してくるのに

俯いたまま、顔を上げる様子のない彼女。



人間って欲張りやから、見れないって思うと余計に見たくなるんだよなー…。



だけど、声をかける勇気なんてない俺は
ただ俯く姿を見てる事しか出来なくて…イライラする



『はぁー…。』


「またタメ息?眉間にシワが寄ってんで〜。そんな顔してたら男前が台無し♪」


『気持ち悪いんで、変なこと言うの止めて下さい』



男に男前って言われて嬉しい訳がない。苦笑

てか…空以外に言われても嬉しくない。




自惚れでも何とでも思われていいけど、俺が不細工の部類に入らない事くらい知ってる。


だって…空と瓜二つの姉弟やねんから。



俺が不細工なら、空も不細工になる…

そんな事、あるハズがない!




ふと閉じた瞼の裏に…5年前の…俺の前から消えた時の…空の顔が浮かぶ。



『…………。』





今でも、しつこい位に空が好きで

どれだけ離れていても、俺の人生は空で回っている。


空を初めて抱いた、あの日の感触が…俺の全身に刻まれてて…何をしていても離れないんや。


透き通る様な白い肌も、その上に浮かび上がる痛々しい傷跡も、汗で額にまとわりつく短い髪も、快楽に歪む顔も声も…

全部、忘れた事なんてない。




今だって、色んな人がいる中で…考えるのは
空の事だけ…。








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