〜花魁〜



消毒液の匂いを充満させる
病院独特の匂いを鼻に感じながら
教えてもらった病室まで行く―。




「緊張するねっ」


『何で君が緊張するんや?』



片方の手には出産祝いを持ち、
もう片方の手には、オムツを持つ花を横目に…

何故だか、俺まで緊張して来た――。





コンコン―…



病室のドアをノックすると、中から大和が顔を出す



「おぉ〜、いらっしゃい!!」


『疲れてるとこ悪いなっ…。』


「嫌、いいで!入れよ!!」



中に入ると、さほど広くもない個室で
真ん中にはベッドに寝転ぶ瑞希の姿がある。




『瑞希〜!!お疲れさん』



こう言う時って[お疲れ]でいいのかな?
なんて思いながら、瑞希の側に寄る―。



「坂本くん!!花ちゃんも!!いらっしゃい♪見て見て〜、生まれちゃったよ!」



そう言って、小さい透明のベッドに眠る赤ちゃんを指さす。




『ちっせー!!』



初めて間近で見た赤ちゃんに、思わず声がデカくなった―…。




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