〜花魁〜




それから…気付けば

何事もなく、春を過ぎ

季節は梅雨に入っていた――。




休日の早朝から降り続く雨は
衰える事なく、勢いを増していく一方で

ジメジメした空気が体にまとわり付いて
気分を憂鬱にさせて行く…。






「おはよー。」



[おはよ]と言うには、心なしか遅めの時間に目覚めた花は

眠たそうに目を擦りながら洗面所に消えて行った――。




ふと、壁に掛かった時計に目をやると
短い針は11時を少し超えた所を指し
昼前という事を告げている。



「寝過ぎた〜!!ごめんね。」



申し訳なさそうに言う花は、まだ平日の疲れが取れてないのか

疲れきった顔をしていて、



『大丈夫?』



なんて、思わず労いの言葉を投げかけた。



「大丈夫〜。ってか、今日何時に行くん!?」


『ん?夕方やで。』


「そっか!楽しみやな♪ドキドキするね!!」




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