〜花魁〜



何も持たず、早い時間に帰って来た俺に

一瞬だけ[仕方ないな]って顔をした後



「お帰り!!」と、出迎えてくれた花。



『ただいまー…。』




堅苦しいスーツから解放され、部屋着に着替えてソファーに体を預けた。




『疲れた――。』


「お疲れ様!!どーやった?」



目を輝かせて、興味津々に聞いてくる花



『綺麗やったで?』



海が?それとも…空が?



『隣きて』


こう言った俺に、黙ったまま隣に座る花を

後ろから抱きしめた。

これでもかって位に、力一杯抱きしめた――。




「ひ、光?痛いんやけど―…。」


『ちょっとだけ我慢して…』




真っ正面から抱きしめられないのは

俺の弱さ――。




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