徐々に、足元に沢山の吸い殻が溜まって行き
そろそろ飽き始めた頃…突如、辺りが騒がしくなり
入り口の方に視線を向けると―…
『あっ、』
沢山の参列者が短い階段のサイドを埋め
真っ白のウェディングドレスを身にまとった
海と旦那が出て来た。
『馬子にも衣装…』
あの、おてんばだった海が…
誕生日プレゼントに[金!!]とか、可愛げのない事を言っていた海が、
幸せそうな顔をして、満面の笑みを浮かべている――。
親心ならぬ兄心…
寂しいとかじゃないけど、少し切ないかも―…。
『海、幸せになれよ。』
聞こえるか聞こえないか程度の小声は、温かい風がさらって行って
俺の声は、海まで届かない。
『き…れいー…。』
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