日本に降り立った次の日、俺は水月(ミヅキ)くんと火月(カヅキ)くんにプレゼントを買い込み、幸姉の家に向かった。


連絡はしなかった。

驚かせようと、思ったからだ。


子ども達とは暫く逢っていないが、俺に懐いてくれていた頃を思い出し、思わず顔が緩んでしまった。


だけど、出迎えてくれたのは、幸姉と水月くんの2人だった。

お義兄さんが休日も仕事だということは知っていたが、火月くんの姿が見えないのは少し気になった。


「幸姉、火月くんは?」


リビングに通された俺は、ソファーに腰掛け、出された紅茶に手を伸ばした。

そして喉を潤して初めて、幸姉の顔色が良くないことに気付かされた。


「幸姉?」


「‥水月、部屋に行っててくれる?」


幸姉は、水月くんを部屋から追い出した。

さすがに、只ならぬ空気を感じて背を伸ばした。