「え?」


「そう言えば、公園での神楽さんの表情も初めて見たかも」


そう言われて、私は小さく「あ…」と声をもらした。


思い返してみれば、あのときは確かに、いつもの冷静な私ではなかった。

あれは私の素だ。

感情的な私の1つの姿…。


「ねぇ、初めて話した日に喧嘩するなんて、ちょっと凄くない?」


「確かに‥そうね」


「これって、ちょっとした運命感じるよね?」

そう言って、天音は子どもっぽく笑った。

「とゆーことで、今から相談にのってくれない?」


「え、相談?」


「そー実は今、弟に避けられてて悩んでるの。相談にのってくれたらこの前のこと許してあげるから、ね?」


「もう怒ってないんじゃなかったの?」


「許すとは、言ってないでしょ?」


私は堪えきれずに、笑い声をあげた。

天音もそれにつられたのか、少し声をあげて笑う。