現実(リアル)-大切な思い出-

その噂話は、天音が弟に愛想をつかされたというような内容だった。

どうやら元々は仲の良い姉弟だったらしく、登下校も一緒だったらしい。

それを知って、ふとあの公園での出来事を思い出した。

あのとき、弟の姿はなかった。

もしかすると、泣いていたのはそういった理由があるのかもしれない。


放課後、私は帰ろうとする天音を呼び止めた。

一緒に居た天音の友達が驚いていたけれど、彼女は「先に帰ってて?」と笑い、友達を見送った。


「この間は、ごめんなさい」


あまりに唐突すぎたせいか、天音は意外そうな顔をした。