現実(リアル)-大切な思い出-

「簡単に泣いてる人を見ると、気分が悪くなるからよ。泣いたって無駄なのに、馬鹿みたい」


「何も知らないくせにっ!」


「知らないわよ?興味もないもの」


「最低っ!神楽さんが、そんな人だとは思わなかった!」


天音は私を睨みつけると、勢いよく駆け出した。

私は無言でそれを見送った。


冷静になって、すぐに後悔した。

どう考えても、私が悪い。

私は天音に謝らなければと、そう思った。


天音に謝るタイミングを図っていた私は、今まで聴こうともしなかった噂話にまで耳を傾けるようになった。

噂話に興味があったからではない。

それが、天音に関した噂だったから、気になったのだ。