冷め切った夫婦だったからなのかは判らないが、2人は兎に角、俺に無関心だった。

何かして、褒められた記憶なんてない。

初めてのテストで100点を取ったときだって、母親のコメントは「そう」の一言だった。

次もその次もそれは変わらず、やがて俺は、テストの点で先生に褒められても、“大げさだ”と思うようになった。

仕舞いには、テストを見せる必要性すら感じることができなくなった。

それは正解だったと思う。

テストを見せなくなっても、母親はやはり、何も言ってこなかった。


中学になる頃には、俺は本当に無愛想な人間になっていた。

周りと比べれば、それは嫌でも自覚した。

別に、態度が悪いわけではない。

ただ、愛想がないだけ。

だから、誰に迷惑を掛けるわけでもなく、俺は平凡な学生生活を送っていた。