現実(リアル)-大切な思い出-

「そういや、まだ名前言ってなかったよな?俺はスイ。彗星の彗だから。お前は?」


「瞬輝」


「シュンキ?」


「一瞬の瞬に、輝くで瞬輝」


「へぇ、カッコイイじゃん!」

彗は目を輝かせた。




『瞬輝、名前を書いてるの?あら、まだ漢字で名前を書くのは無理よ。難しい漢字だもの。でも、良い名前でしょう?“その瞬間、瞬間の人生を輝かせられますように”って、願いを込めて付けたのよ?とっても素敵でしょう?』




突然、遠い記憶の母親の声がした。


忘れていた、曖昧な記憶。

だが、確かに俺は、その言葉を聞いたことがある。

いつだったかは、思い出せない。

ずっとずっと昔のことだ…。