そして

たった今から初めての合わせ練習だ
僕は家で練習できるので
毎日部室に入り浸っていたけど
二人はバイトやらなんやらで
3人揃う事はなかった



城島先輩はギターーをアンプに繋ぎ
つまみをいじりながら音を作った

矢野さんはずっと首をかしげながら
アンプと闘っている

僕はそれを見ながら
ストレッチをして
バスドラムの感覚を確かめた



「そろそろ始めようか」

城島先輩がそう言うと
矢野さんは振り返ってにこりとした
(僕はそれを見てまたキュンとした)


「それじゃあ葵くんカウントちょーだい」



「あ。そうか。わかりました」
僕は少しビクビクしながら
スティックを鳴らした


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