「じゃぁ、10分休憩」

キャプテンの合図で私は一斉に座り込む


「(き・・・・キツい・・)」



大会が間近に迫り部内の空気も盛り上がっていた

だが私はそれに今一付いて行けない



「はい」

座り込む私に誰かアクエリアスを渡してくれた

「さ、サンキュ」


私は俯いたままそれを受け取る


そして飲もうと顔を上げた時其の相手が見えた

男子テニス部の先輩


「川上先輩」

「疲れてんな名倉」

「あはは、御陰さまで」

私はアクエリを喉に通す

「ま、俺達は此の大会で引退だから皆張り切ってんだよ」

「そっか・・・もう引退なんスね」

「淋しいか?」

「誰が?」

私は笑い混じりに返す


「まぁ、上手く熱く成れ無いお前はちょっとこの雰囲気苦手かもだけどな」

先輩はそう言うと私の頭を乱暴に撫でる

「素敵な先輩達のために頑張ってくれや」

「・・・・そうですね、自分も(川上先輩以外の)先輩方のために頑張ります」

「おい、今の間何だァ?」

そう言って先輩は一層乱暴に撫でてきた








「休憩終わり!!!!


 次、前衛練習開始ィ」




私はアクエリをベンチに置きコートに戻った