─ 教室 ─




教室に戻ると、親友の疾風が俺の許へ寄って来た。




『時雨ー、どこ行ってたんだよ?』




疾風は手に持っているノートを俺に渡しながら、「次は化学だぞ」と言って、俺に化学室に行くように促した。





先程渡されたノートと、化学のノートと教科書を持って、俺と疾風は、化学室に向かった。






化学室に向かう廊下の途中、友達と二人で、笑い合っている永久とすれ違った。









俺が永久に視線を向けると、永久は俺に気付いたのか気付かなかったのか、視線は合わせなかったが、小さく、俺に手を振った。






その事に小さく笑みを浮かべ、俺は、目の前の化学室へ走った。