「あ、」 学校が見える距離になって、いきなり手を放された。 車は急には止まれない。 あたしも急には止まれなくて、春木くんの背中にぶつかった。 「ぶっ!」 思いっきり鼻がつぶれた。 さすっていると、春木くんが振り向いて。 「もう遅刻しねぇ時間だから大丈夫。手、つないで仲良く登校なんてごめんだしな。先、行っててもい?」 疑問系なのに疑問系じゃない。 あたしの返事も聞かぬうちに春木くんはすたすた進んでしまっている。