「だいたい、春木くんもあたしもお互いをすきになるなんてないんだから、結果は目に見えてるじゃない」 「まぁね。…ていうかもう夜の11時だよ?」 春木くんが腕時計の時間を見せてくれた。 10時50分だ。 あたしは棒読みでそうですねと答えた。 「高校生は11時をすぎると補導されるんだよ。ここらへん、都会だから警察ちゃんといるし」 そんなことまで考えていなかった。 電車に乗って帰るって、それくらいにしか。 都会の法則なんて、田舎者のあたしにはちっともわからない。