「半年後には新築ができるからその時いっしょに住みましょう。それまでは花嫁修行だと思って、ねっ?」



だからって、花嫁修行、って。



「そんな、あたし恋愛なんてまだ、いいし。知らない家にお世話になるとか、むりだし」


「あら。あんたの歳、恋愛の盛りなんだから。
ふふ、あっちは都会よ~」


「恋愛したって、結婚はまだまだ先のことだし。
あたしは、田舎者だし」


「自分磨きにこしたことはないわ。
相手のおうちね、高校にとっても近いのよ。野田さんって言ってー、あなたと同い年の子がいるのよ!」


「あ、でもお友達には…なりたい」


「ねっ! でしょっ」



お友達、に心が揺らいだところで、ママは手を握ってあたしに訴える。