「それであたし、あんたをすきにならせて、あんたの心をもてあそんで、絞り尽くしてふらっとあんたの前から消えてやるわ!」


「ふーん…」



シンと静まりかえる家の中。

春木くんがますます冷めた目で見ているような気がして。



しまった。あたし、言い過ぎ…。



「ふーん。がんばってみれば? むりだと思うけどね」



どうしてこうなるの?
春木くん、オーケーしちゃうの?


自分のことなのに、どこか人事なの…?



「の、望むところよ!」



ああ、こんなはずじゃなかったのに。




あたしのばかーーーーー!



負けず嫌いが仇となりました。