「何か悩んでるんだろ? 話せるなら俺に話せ」 「…。」 「…そんな、すぐに 話せるわけないか」 すると先生は 奥の準備室へ入って行った。 戻ってきた先生は 小さな紙切れを あたしに差し出した。 「話せそうなら電話して。 一人で悩むのは良くない」 「…ありがと」 あたしは少しだけ笑った。 「菜月は笑ってる方がいい」 先生はそう言って あたしの頭を ポンポンと叩いた。