俺様VAMP!


先ほどまで纏わり付いていた口元の血も、すでに砂となって散っている。
残滓はいまだに残っているが。

詩乃の襟元を見た斎が不審に思うだろう。
だが、ごまかせばいい。
……シラを切ってやる。

それを心のどこかで面倒臭いとも思う。

…俺は人と同じくしては生きられない。
単純に「食」が異なるからだ。
それから、もっと厄介なのが…成長しない外見。
同じところに長くはとどまれない。
長く人の記憶に残るわけにはいかない。

不審は危険を呼ぶ。
面倒事は苦手だ。


……アイツに嗅ぎつけられる。


俺にこの瞳と髪の色を分けた、アイツに。


そうだ。

俺はエンゲージされた側、なんだ。
俺からエンゲージすることはないはずだ。

…なのに、詩乃は俺の色を映す。