木にもたれて、何とか冷静さを取り戻そうと必死になっていると、背後から人の気配がした。
…まずい。
なんとか手を伸ばして、飛びかける意識を食い止めて。
詩乃の首にそっと触れる。
トクトク、と音を刻んでいる。
再度、脳が痺れたような気がする。それに気がつかないフリをするので精一杯だった。
触れた先から、あっという間に血がサラサラと音を立てて砂のように溶け始めた。
ふっと、二つの穴も塞がっていく。
ああ。
…制服…汚してしまったな。
初日に。
襟元に幽かに残る血の染みが、やけに淫靡に感じた。
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