どこの誰がそうしたのか、知らないが。
コイツの周りには、俺みたいなのがいたってことか。
…本人も知らぬまま。
だが、瞳の色を写すのは…。
俺の色を写すのは、どう説明する?
……これはただの体質ってことか?
その体質に目をつけられたのか…。
ああ。
視界が眩む。
思考が散らばる。
せめて、詩乃の首に開けた穴を、元通りにしてやりたいが……。
青ざめて泣きながら意識を失っている少女に、触れたら。
それこそ……歯止めが利くか、わからない。
まだ、辺り一帯に香りが満ちている。
…濃厚すぎる香り。
血の。
あらゆる矛盾を内包した、赤く重い水の。
……理性が飛びそうだ。

