座り込んでいたのを、膝で立つくらいに。
僅かに引き上げられて。
腰に手を回されて。
相変わらず、頭の芯が眩む。
息が……。
うまく、できない。
くらくら、
震えはじめている、私を見て。
蓮がようやく口唇を離した。
まだ、まともに目を開けられなくて、呼吸も整わない私を冷静に覗き込んで。
何かを確認して。
ゆったりと、顔の位置を下げた。
先ほどより、鋭敏に反応した。
柔らかい髪筋が、首をくすぐったからだ。
「…ごめんな。詩乃」
え……?
どうゆう意味、と問い返そうとした瞬間。
ブツリ、と。
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