1回で、済むんなら。
もうこれ以上…怯えたり、自分を嫌悪したり、ルームメートに迷惑かけるのはイヤだ。
これから、3年もここで生活していくのに。
蓮とは、後1年間は同じ屋根の下で暮らしていかなきゃいけないのに。
…ずっとずっと。
怯えたままなんて、イヤだ。
蓮が、私の顎に指をかける。
……あっさりと、私を……捉える。
決心したはずなのに。
あっという間に逃げたくなった。
でも、蓮は躊躇わない。
2度目の、キス。
……柔らかな、口唇。
………昨日と同じように冷たくて。
どこか…やさしく感じた。
でもガチガチに固まった体は、どうしようもできない。
無意識に、体が逃げようとしている。
蓮はソレを許すような人じゃない。
……逃げようとすればするほど、追撃してくる。
今も…甘噛みされた、口唇の隙間から。
多分冷静に、怯える私を見ている。
「………!」
「…口、開けろ」
「…………っ、」
「こじ開けるぞ……?」
「……ん、………」
「…そう、いい子…」

