教室のドアに、片手だけでもしがみつく。
抵抗する。
…蓮の軽い舌打ちが聞こえて。
さらに身を縮めた。
ふ、と。
背後に人の気配がした。
のんびりした、でも不機嫌そうな声も。
「……蓮さん」
「観月?」
「…あんた、ちょっとシツコイよ。……嫌がってるんだから……止めたら…?」
昨日から…一言も口を聞いていない観月くんが、昨日より遥かに不機嫌さを表して、立っていた。
「…観月くん……」
一気に安堵の涙が膨れあがる。
そんな安直な私を彼は一瞥しただけ。
そして物怖じしない様子で、蓮に目線を戻す。
蓮も一気に苛立ちを高めた。眉間に盛大に皺を刻んで。
「お前には関係ないだろ」
「……あのあと…この子、ずっと泣いてたよ。………一晩中、啜り泣く声聞かされて…うんざりなんだよ…」
今日もそんな風だとたまらない、と。
面倒臭そうに髪を掻きあげて。
緑がかった…強い瞳を。
黒曜石の瞳にぶつける。

