私の真ん前に来た蓮は、昨日みたいに、私の頬に指を這わせて…抓る。
…痛い、と抗議すらできないほど、硬直している私に構うことなく。
「話は明日な、っつったろ?…行くぞ」
遠慮なく私の腕を引っ張っる蓮。
その強い力に汗の量がどんどん増していく。
ようやく氷が溶けたように、私は必死で抵抗する。
「ま、…まだ…!ホームルームが…!」
「どうせ挨拶程度だろ。いいから来い」
な、…なんて強引な…!
人の輪も目線も掻き分けて、私を無理矢理教室から引きずり出そうとする。
「…や、やだ!…話なんてない!」
「俺にはある」
「………やだぁっ!」
引きずられて。
一気に感情が膨れ上がる。
一気に涙目になって。
私は自分を嫌悪する。
…情けない。
恥ずかしい。
こんなにガタガタにペースを乱されて。
ただ、怖がっているだけだなんて。

