「……あんた、馬鹿じゃない」
「………観月くん」
「蓮さん……、見た目からして…手ぇ早そうなのに…。警戒心、足りな過ぎ……」
続き戸の木枠にもたれるようにして。
観月くんは、心底軽蔑するように、私を見た。
カァッ、と瞬時に顔中が赤く染まる。
でも観月くんは、お構いなく、不機嫌そうに。
「女の子、一人だって分かってるんでしょ……。鍵くらい…ちゃんとかけたら……?」
「…あ、…ご、…ごめ……!」
「次は…助けてやんないよ……」
そう、言い残して。
彼もまた、パタリと。
……戸を閉めた。
シンと静まり返った部屋で、一人、ポツリと佇む。
……新生活に胸を弾ませた、初日。
寮の隣人には、いきなり嫌われちゃうし。
先住人には、変わった人も…怖い人も、いる。
自分の身にも不可思議なことが起こった。
でも明日からは……学校も始まるから…頑張らなきゃ。

