西洋人形みたいな、綺麗な顔を、不機嫌に歪めて。
続き戸を開け放ったのは、観月くんだった。
私は慌てて蓮の上から退く。
…涙を拭う。
「観月…」
「……何時だと思ってんの?……オレ、眠いんだけど」
ジロリ、と本当に嫌そうにこちらを睨んで。
正当すぎる文句を静かに放つ。
「ご、ごめんなさい…!」
「悪いな、観月。…詩乃。話は明日」
後半は、コソッと耳打ちして。
意外にも、あっさりと。
彼はソファから立ち上がって、おやすみ、と言い残して……出ていく。
パタン、と。
何事もなかったように、ドアは閉まって。
部屋から蓮の影が消えた。
その様子を見届けてから、観月くんは私に視線を寄越す。

