でも。 顎が痛い。 鳴咽が零れてしまう。 「ふ、……うっ…く…」 「詩乃」 「う…、お願い……、離して…。も、許して………。こ、怖………」 「………詩乃」 蓮の膝の上で、ボロボロ泣く、私は。 …本当に無様だ……。 するり、と。 拘束の力が緩んだ。 「詩………」 彼が、戸惑ったように、私の髪に触れようとした時。 私が再度その感触に怯えて、体を強張らせた時。 バァン!と豪快なドアの開閉音と、静かな声が、私たちを諌めた。 「……うるさい」